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ラジアルボール盤電機修理

株式会社茂呂製作所

今回はWebサイトからお問い合わせをいただきました。

「ラジアルボール盤の操作スイッチを入り切りしても動作がしない場合があるので、長く使えるように直して欲しい」とのご依頼です。

ラジアルボール盤はすでに国内では生産されなくなっています。

しかし、生産現場では今でも主力の加工機として活躍しています。
同様の機器をお使いの現場の方にもご参考になれば幸いです。

作業前所見

通常のボール盤は回転する軸を上下にする機構を有しており、この回転軸にドリルの刃やタップを取り付け、穴あけやメネジ加工を行います。

ラジアルボール盤は上下軸の機構が円柱の柱に取り付いており、機構の上下+旋回動作ができます。

ほとんどが、大型のもので大径の穴あけ加工やタップ加工に用いられます。
マシニングセンターが登場して、高精度な穴あけ、タップ加工をマシニングセンターで行うようになり、ラジアルボール盤を使う現場が減っていったといわれます。

しかし、特注部品を作っている会社では、加工時間が長くかかる穴あけ、タップについてはマシニングセンターで正確な位置に下穴加工だけ行い、ラジアルボール盤で最終の大きな穴あけやタップ加工を行い、工場全体の可動率の向上や加工時間の短縮を図っています。

今回のラジアルボール盤ですが、中型サイズで比較的生産数も多い機種のようです。

しかし、製造メーカーも撤退しており、交換したい部品の型番も分かりません。
通常ですと一度訪問調査を行い、部品手配後に再度訪問して作業となります。

今回は運よく同型機が社内にあったため、出張訪問することなく部品調査を行えました。

対処法

お客様のお話ですと、刃物の回転機構の正回転側のみ動かないとのお話でした。
逆回転側は動くので、モーターは正常で制御機構の故障が考えられます。

製造年数から考えると、その正回転機構だけでなく電気制御の部品一式を変えた方が、今後も安心して使用できるとご提案し、ご納得いただきました。

交換部品

  • 正・逆回転スイッチ(主軸用)
  • 正・逆回転用リレー(主軸用)
  • 昇降スイッチ(回転機構部)

作業工程

まずは、社内のラジアルボール盤を分解し、使われているスイッチ及びマグネットリレーの型番を調べます。

型番から調べますと、およそ20年から30年前の部品のようです。
当然ながら廃盤となっておりますので、電気的に同容量でできる限り同じ取り付け寸法のものを探します。

正・逆回転スイッチと昇降スイッチについては、同容量・同一寸法のものが見つかりました。
残念ながら正・逆回転用マグネットリレーは同一寸法のものが見つかりませんでした。

そこで、電気的な容量は同一で、取り付け寸法が元サイズより一回り小さいものを選定しました。

選定した部品が入荷しましたので、訪問して作業に入ります。

まずは、本来の目的である正回転側の電気系統の部品を調査いたしました。
正回転スイッチを調べましたが異常はありませんでした。

正回転スイッチで駆動されているマグネットリレーを調べたところ、電気を流す接点部が磨耗しており、導通が不安定になっていました。

正回転が動かない理由は、マグネットリレーと判明いたしましたが、今後のことを考え、全てのスイッチとマグネットリレーを交換いたしました。

全ての電気部品を交換し、動作点検を行い全て正常なことを確認して終了となりました。

作業を終えて

ラジアルボール盤をとても丁寧に使われていました。日本製の装置は、機械精度や材質が良く、メンテナンスをしっかり行えば今後も長く使用できると思います。
電気部品の交換のタイミングは外観からは判りませんが、装置を長く安定させて使うためにはとても大切なことです。

電気関係の故障は、前兆がないことがほとんどです。
できましたら、マグネットリレーやヒューズなどは予備部品をお持ちになることをお勧めします。

当社では、使用されていた電気部品が廃盤になっていても、代替できる現行生産品の提案が可能です。
また、取り付け位置の変更や配線の取り回し変更などが必要になることが多いですが、多くの対応実績があります。
安心してご依頼ください。

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