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二重釜(ケトルミキサー、蒸気釜)の回転軸修理

株式会社茂呂製作所

作業前所見

食品を製造されているお客様より、「二重釜(ケトルミキサー)の撹拌回転軸から製品が漏れてくる」とのご連絡をいただきました。 食品会社で大量の煮物を作るような工程では、蒸気を熱源にした大型の鍋が用いられます。 製品名は、二重釜、ケトルミキサー、蒸気釜などと呼ばれています。
二重釜には、大量の製品を作るために自動の撹拌機構が付いている場合が多いです。 更に、作ったあと排出するために鍋を傾けるための機構が付いております。 手動又は電動で鍋を傾ける回転軸に蒸気が通っている場合が多いです。 この傾け軸から蒸気が漏れてくる場合は、作業者に危険なため早急な修理が必要です。

対処法の検討

今回は、蒸気部分ではなく食品の撹拌軸からの漏れですので、シール(パッキン)部品の交換となります。 パッキン交換の為に軸部周辺を分解するのに合わせて、ベアリング部品等も交換いたします。 漏れには直接関係ありませんが、作業量はほとんど変わりません。 合わせて交換しておくことで、今後のトラブルを防ぐことができます。 こういった整備を予防整備といいます。

作業工程

撹拌の回転軸から漏れが確認できました。 まったく漏れないことが良い時と悪い時があります。 多少の漏れは、素材により潤滑剤となってシール寿命を延ばす場合もあります。 薬品や可燃品の場合は、漏れると重大なトラブルになることもあるので漏れは厳禁のものもあります。 私たちは多くの経験から勘案して判断をしております。
部品交換が必要だったため、部品入手後に再度訪問いたしました。 早速、漏れていた部品周辺を分解していきます。 この際に各部品の状態を確認しながら行っていきます。
外したフランジ部品からシールが見えました。 取り外してみると柔軟性がなくなっており、軸部と接触する箇所は摩耗しておりました。
今回のシールは、ヒモ状のサイズフリーのシール材を使います。 元のシールも円形状にはなっておりますが、つながっておらず、ヒモ状のサイズフリーを使っていたものと推測されます。
今回のシール材質は、PTFEを用いています。 特徴として優れた耐薬品・耐熱性がありますので、蒸気の熱が加わるような所でも問題ありません。
使用用途は幅広いのですが、使用には注意が必要です。 1mなどの長さで販売されており、任意の長さで切断する必要があります。 その際の長さがとても重要になります。 理由は、長すぎるとフランジのくぼみに収まりませんし、短い場合は溝内で隙間が発生し、漏れの原因となります。 ベストなのは数mm長い状態で、上手く組み付けると漏れずに良好な回転が得られます。 こういったノウハウが現場では大切になります。 最後に元々ついていたベアリングを交換して終了です。
ベアリングが摩耗して、軸の振れが発生してもシールに悪影響が出る場合があります。 ベアリング交換は30分もかかりませんでした。 寿命が近い様でしたので、良いタイミングで交換できました。
以上で作業終了です。 食材の準備の関係で当日は水をためていただき、動作確認をいたしました。 漏れも止まり順調に動作いたしました。

同様の機器をお使いの方へ

食品工場様では、漏れ出たものが異物混入となる可能性がございます。 また、漏れ始めると調整で済むものもありますが、部品が摩耗限界の場合もございます。 その場合加速度的に漏れが多くなることもありますので、早めの修理が望ましいです。 茂呂製作所では、回転軸のシールに使われているひも状のシール交換は多くの経験と実績があります。 シールの交換だけでなく、合わせて周辺も整備提案いたします。 そうすることによって、以後のトラブルの低減につながります。 お気軽にご相談ください。

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