今回の案件は、工場の設備で使用しているモーターの交換保全作業です。
「突然モーターが止まってしまったのですぐに直して欲しい」との事で、突発対応させていただきました。
状況確認
現場で調査をしたところ、モーターの焼き付きが原因で動かなくなってしまったことが分かりました。
通常は異音などもなくスムーズにモーターが回るのですが、過負荷によりコイル焼けが起こってしまい、モーターが回らない状態になっていました。
通常より過大な電流が流れたことによる加熱が原因で、コイルが焼けたと思われます。
その結果、工場設備が全く稼働できない状態になってしまいました。
現状では動かなくなってしまっているので、この状態で作動することはありませんが、もし何かの拍子で電流が流れるようなことが起こると熱を持ってしまい、最悪の場合、出火して火災の原因となってしまうこともあります。
方針決定
今回の原因および状態を依頼主様に伝えたところ、新品のモーターに交換して欲しいとの事で、弊社で早速モーターを仕入れ、その日のうちに交換作業させていただきました。
早急に動かしたいという事で、モーターの入れ替えに伴う下記作業を行います。
- モーターの搬出搬入作業
- プーリーの取外し交換作業
- ベルトを新品に交換
- 芯出し作業
- グリスアップ
整備状況
①故障しているモーターを取外し新しいモーターに入れ替える際に段差があったため、門型(手動のクレーン)でモーターを釣り上げて搬出・搬入作業を行いました。
②プーリーは故障したモーターから取り外し、新しいモーターに取り付けを行いました。
③モーターを据え付けるときにアンカーボルトなどの調整を行いました。
④据付後はアンカーボルトの調節を行いベルトの張り具合を見ながらベルトの取り付けを行いました。
⑤ベルト取り付け後芯出し調整を行い試運転を行い正常に稼働し作業完了となりました。
試運転の結果、工場設備も正常に稼働するようになりました。
再発防止のアドバイス
このようなコイル焼けは今回のような原因だけでなくインバータの不具合などでも起こることもあります。
定電圧であまり過負荷をかけずに運転させることや、定期的にインバータや配線のチェック・メンテナンスを行うことでこのような症状も未然に防ぐことができます。
完全に動かなくなる前の予防法としては、動きがいつもと比べておかしいなと感じたら、無理に稼働させたりせず点検・整備を行うことを心がけましょう。