ページガイド
トップページ » 株式会社シュウワエンジニアリング » ポータブル3Dスキャンアーム テスト測定 「シャフト編」

株式会社シュウワエンジニアリング修理実績

ポータブル3Dスキャンアーム テスト測定 「シャフト編」

シュウワエンジニアリングの新事業の紹介をさせていただきます。

事業計画名

「よろず保守」体制確立のためのポータブル3Dスキャンアームを活用した設備保全環境の構築。

設備・装備

ポータブル3Dスキャンアーム

当社が新たに導入した3Dスキャン用の機械アームです。
アームの先端部分のプローブを物体に接触させて点を取ったり、レーザーを照射して物体の形状を点画として読み込んだりすることにより、読み取ったデータをすぐに3Dモデル化したり、あらかじめ作られた3Dモデルと作成した機械部品の寸法を比較したりすることができます。

入手困難な機械設備の保守部品の立体的情報を短時間で取り込み・検証する事が導入の目的であり、従来の手描きスケッチから3DCADへの展開により、従来3~4日かかっていた時間が1時間程度に短縮できますし、データを直接取り込み・検証することが可能と思われます。

(画像1-1)ファロージャパン社製ポータブル3Dスキャンアーム
(画像1-1)ファロージャパン社製ポータブル3Dスキャンアーム

アームの先端部には物体に接触させてデータを接触測定するピックプローブ(1)と2色のレーザーを照射して光を当てた部分を点画として立体データを読み込むレーザーラインプローブ(2)を用いて測定を行います。

(画像1-2)先端部の拡大画像
(画像1-2)先端部の拡大画像

(1)ピックプローブは球状になっている先端の白い部分に測定物を接触させることで点をとることができ、それによってとられた複数の点の位置・距離・並び方によって形状や寸法を測ることができます。

(2)レーザーラインプローブは(2-1)から十字型の赤いレーザーを、(2-2)から縦長の緑のレーザーを照射し、物体に当てた時その光が重なっている部分を点画データとして読み取ります
(画像1-3参照)

(画像1-3)レーザーラインプローブによるレーザー照射
(画像1-3)レーザーラインプローブによるレーザー照射

測定物との距離を調整すると重なるようになりその部分の点画データを読み取ることができます。

(画像2)延長プローブキット
(画像2)延長プローブキット

プローブとレーザーラインプローブは取り外し・付け替えが可能で、延長プローブらに付け替えることができます。

(画像3)フォールディングトライポッド
(画像3)フォールディングトライポッド
(画像4)インチマグネットマウント
(画像4)インチマグネットマウント

これらの台に3Dスキャンアームを設置し使用します。
インチマグネットマウントは底がマグネット式になっておりアームを鉄製の定盤に固定することができます。

(画像5)ファロージャパン社製ソフトウェアCAM2Mesure2018
(画像5)ファロージャパン社製ソフトウェアCAM2Mesure2018

ポータブル3Dスキャンアームで読み込んだデータで面の寸法を計測できるソフトです。
接触検査、非接触3Dスキャン検査どちらにも対応します。

測定物の見本の3Dモデルをインポートした後に測定することで、測定した面データをそのインポートした3Dモデルに重ね合わせ、測定物と3Dモデルの寸法の比較をすることができます(比較データでレポートを自動的に作ることもできます)。

(画像6)3Dシステムズ社製ソフトウェアGomagic Wrap
(画像6)3Dシステムズ社製ソフトウェアGomagic Wrap

レーザーラインプローブによる非接触3Dスキャンを物体に行って取った点群データをポリゴンに変換し、更にシェイプフィットサーフェス(小さな境界を持つ四角形のパッチの集合体)化して他のCAD・CAMソフトでも使えるようにすることができます。

事業の背景・目的と試作開発の概要

当社の予防保全の上流工程では、手描きスケッチで現物確認する工程が必須ですが、人為的なミスが入り込む余地が存在していました。
また手描きスケッチの工程自体も時間が掛かり納期への影響も大きいので、当社が補助事業で目指す予防保全の実現のためには、工程改善が必要でした。

本補助事業では経営革新・経営力向上計画を具体的に推進する為に、業界でも革新的な取り組みとなる「よろず保守」体制の確立のためのポータブル3Dスキャンアームを活用した設備保全環境を構築(以下、「よろず保守」)しました。

当社は工場設備保全というニッチな分野でコスト削減と生産性向上で顧客に貢献し、更なる販路開拓を目指しています。

今回紹介する作業及び実験内容
  1. CAM2Mesure2018によるポータブル3Dスキャンアームの設定
  2. Gomagic Wrapによるシャフトの読み取り・レーザースキャンによる点画測定→3Dポリゴンデータ化
  3. CAM2Mesure2018によるシャフトの読み取り・プローブによる寸法の測定
  4. CAM2Mesure2018によるシャフトの読み取り・レーザースキャンによる点画測定→面の抽出による寸法の測定

2から4までの作業はメーカーと相談しながらの研究、実験期間を含め、計1ヶ月で行いました。

(画像7-1)今回計測するシャフト
(画像7-1)今回計測するシャフト
(画像7-2)シャフトの寸法図と3Dデータ化したシャフト
(画像7-2)シャフトの寸法図と3Dデータ化したシャフト

画像7-1のシャフトをマイクロメーターやノギスで直接寸法を測り、それを基に作成しました。

後述するCAM2Mesure2018とプローブによる測定実験に必要です。

進展状況

その1

発注したポータブル3Dスキャンアームが届いた為、設置・設定を行い、後日メーカーのところにアーム・CAM2Mesure2018・Gomagic Wrapの講習を受けました。

その2

Gomagic Wrapを用いて他のメーカーから預かっているシャフトをアームのレーザースキャンで3Dスキャンし、点群を取った後それらをポリゴン化します。

その後、シャフトを固定する為の台ごとスキャニングしている事や、レーザーの反射によってできた余分なポリゴンや不自然なバリ部分、欠けている部分や穴あきを埋めます。

そしてシェイプフィットサーフェス化して他のCAD・CAMソフトでも使用可能な状態にします。

作業時間・最短で4時間程度

(画像8-1)スキャンしたシャフトの点群の画像
(画像8-1)スキャンしたシャフトの点群の画像
(画像8-2)点群のポリゴン化
(画像8-2)点群のポリゴン化
(画像8-3)点群の合成
(画像8-3)点群の合成

どうしてもポリゴンの穴埋めが難しい場合再度3Dスキャンを行い、新たに点群を取り、前の点群と合成します。
そうする事で再度ポリゴン化したときに精度がよくなります。

その3

その2で測定したシャフトを今度はCAM2Mesure2018を用いて測定します。見本として作成したシャフトの3DCADデータを予めCAM2Mesure2018にインポートしておきそれから面の要素を指定し、順番にシャフトの円筒面をピックプローブで接触測定します。(画像9-1参照)

作業時間・最短で1時間半程度

(画像9-1)点群の合成
(画像9-1)点群の合成

インポートしたシャフトの3DCADデータから、円筒部の測るべき要素を指定している様子。

この後、要素を指定した順番に実際の測定物の面を測定すると、自動的に測定データが3DCADモデルと重なり比較できるようになります。

(画像9-2)測定した面データとインポートした3DCADデータをアライメント(重ね合わせ)した時の画像(レポート化する時の画像)
(画像9-2)測定した面データとインポートした3DCADデータをアライメント(重ね合わせ)した時の画像(レポート化する時の画像)
その4

その3と同様にシャフトの3DCADデータを予めCAM2Mesure2018にインポートした後、アームのレーザースキャンで3Dスキャンし点群を取り、シャフトの3DCADデータに重ね合わせます。

作業時間・最短で2時間程度

(画像10-1)シャフトをレーザースキャンで読み取った時の点画の状態
(画像10-1)シャフトをレーザースキャンで読み取った時の点画の状態

緑の部分は読み取ったデータの値がインポートした3DCADデータの寸法に近いことを意味していると思われます。

インポートしたシャフトの3DCADデータから、円筒部の測るべき要素を指定している様子。

この後、要素を指定した順番に実際の測定物の面を測定すると、自動的に測定データが3DCADモデルと重なり比較できるようになります。

(画像10-2)点群データから抽出した面要素の様子
(画像10-2)点群データから抽出した面要素の様子

段差部分の面は綺麗に測定できず、点画が並行にならなかったので抽出できませんでした。

表1・測定結果【単位:mm】

要素名/出力項目公称値レーザーピックレーザー‐ピック差異
円筒001/直径20.00020.06219.910+0.155
円筒001/円筒度0.1920.194-0.002
円筒002/直径16.00015.88315.994-0.111
円筒002/円筒度0.2360.240-0.004
円筒003/直径25.10025.08925.098-0.009
円筒003/円筒度0.0270.029-0.002
円筒004/直径19.00019.01218.978+0.034
円筒004/円筒度0.2090.211-0.002
円筒005/直径19.9019.86919.846-0.023
円筒005/円筒度0.0450.058-0.013

分析・今後の課題

Gomagic Wrapを用いた3Dスキャンは円筒部分のスキャニングは容易でしたが、レーザースキャンという関係で細かい溝(特にネジ部分)はスキャニングが難しく(光が当たり難い部分があったり、シャフト自体の光沢によるレーザー光の反射が多くなり、点群が歪む為)どうしてもポリゴンの修正・編集が多くなって時間が掛かってしまいます。

さらにあまりに編集が多くなりすぎて精度の信憑性が薄くなる問題点が発覚し、ネジ部だけ上手くサーフェイス化できませんでした。
ただGomagic Wrapを用いれば機械部品の3Dモデルの再現が以前より容易になることは確かです。

CAM2Mesure2018による測定でもレーザスキャンの誤差がカタログに記載されている数値を超えていた為、メーカーに問い合わせ相談した所、やはり光沢による反射の影響を受けている可能性が高いとうことで、測定物に何か粉を塗すなどして光沢を無くしてから測定した方がいいと提案をされました。
今後小麦粉を塗した状態での測定実験を行う予定です。

またレーザースキャンを行う場合、なるべく暗い部屋で行ったほうが精度が良くなることも判明しました(日光や他の照明の光が強いと光の反射でレーザーの光が薄まって読み込みにくくなる為)。

様々な状況の中で試しながら改善し、最適解を見つけていきます。

対応企業
株式会社シュウワエンジニアリング
【本社】
〒370-0873 群馬県高崎市下豊岡町1482
TEL. 027-324-8748 / FAX. 027-324-0137

【組立工場】
〒370-0874 群馬県高崎市中豊岡町783

流れ

  1. STEP①お問い合わせ

    本サイトのお問い合わせフォームから、できるだけ詳細情報を入力して送信してください。
    詳しい情報をいただけますと、精度の高いご返答を期待いただけます。

  2. STEP②機械修理.comから
    ご依頼主に連絡

    専門スタッフが検討し、対応可能な企業を選定します。
    タイミングが合えば即日、遅くとも1営業日には連絡いたします。

  3. STEP③対応企業から
    ご依頼主に連絡

    直接ご依頼主とお打ち合わせいただくことで、納得のいく内容が期待できます。