ABBの高効率モータが示す省エネの新基準

ABBが発表した「IE5同期リラクタンスモータ(SynRM)」のラインアップ拡充は、製造業や設備業界にとって大きな意味を持ちます。
小型フレームサイズの追加により、より幅広い用途でウルトラプレミアム効率が実現可能になりました。
(参考:PR TIMES )
小型化と高効率を両立
新たに追加されたフレームサイズ(90、100、112)は、0.75kWから450kWまで対応。
従来の大型モータに加えて、小型設備や限られたスペースでも導入しやすくなっています。
マグネットやレアアースを使わずに高効率を実現している点は、持続可能性の面でも大きな強みです。
省エネ効果と環境貢献
IE3モータと比較して最大40%のエネルギー損失を削減でき、場合によっては投資回収期間がわずか数か月というケースもあります。
さらに長期的には、CO₂排出量の大幅削減につながり、工場やプラントにおける環境対策の強力な武器となります。
機械修理ドットコムの視点
こうした高効率モータの普及は、設備のライフサイクルにおける「修理と保守」の重要性を一層高めます。効率を維持するためには、モータ単体だけでなく、組み合わせるインバータや制御システムの点検も不可欠です。
また、レアアースフリー設計は部品供給リスクを低減しますが、その分、適切な整備手順や部品交換の知識が求められます。
修理技術者にとっては、新しいモータ技術に対応できるスキルの習得が必須となるでしょう。
まとめ
ABBのSynRMモータは、省エネ・環境配慮・持続可能性を兼ね備えた次世代製品です。
同時に、安定した運用を支える修理・保守技術の価値も高まっています。
機械修理ドットコムとしては、この技術革新を「現場での修理需要の変化」という視点からも注目していきます。


