2025年10月29日から31日にかけて、ポートメッセなごやで開催される「名古屋ファクトリーイノベーションWeek 2025」。

今年のテーマは「人とロボットが共に働く現場」。

人手不足・技能継承・DX化という製造業の3大課題に、最先端技術がどう挑むのかを体感できる3日間となります。

出典： PR TIMES（2025年10月22日、RX Japan 株式会社）
※内容は再構成・要約のうえ独自の分析を加えています。

見どころ①：「人のように働くロボット」たちの実演ショー

展示会では、ヒューマノイドロボットや4足歩行ロボットが実際に稼働し、工場・倉庫での作業を再現。
まるでSF映画のような光景が現実のものとして披露されます。

• カワダロボティクス：「NEXTAGE」シリーズが登場。
  工場の人員不足を補うだけでなく、人と協働しながら作業できるヒト型ロボットです。
• TechShare：4足歩行ロボット「Unitree」を展示。
  障害物や段差を軽々と乗り越え、長時間の安定稼働が可能。
  災害対応・巡回点検などにも応用できるモデルとして注目を集めています。

見どころ②：技能伝承を支える「ウェアラブル体験会」

現場のベテラン技術者のノウハウを、いかに若手へ伝えるか。
その課題に応えるのが「ウェアラブル体験会」です。

• スマートグラス：遠隔地の熟練者が作業者の視界を共有し、リアルタイムで指示を出す。
• アイトラッカー：視線の動きを解析し、熟練技術者の“判断の瞬間”を可視化。
• ウェアラブルカメラ：作業映像を記録・教材化し、動画による技能教育を実現。

これらの技術は、現場教育・安全指導・遠隔サポートといった分野で、修理・保全の現場にもそのまま応用可能です。

見どころ③：女性技術者による「女子交流会」

製造現場で働く女性技術者のキャリアや悩みを共有する新企画。
トヨタ自動車の小笠原知子氏（生産技術部門マネージャー）が登壇し、理工系女性のキャリアと職場環境改善について講演します。

現場の声を直接聞ける貴重なセッションとして、企業のダイバーシティ推進にも一石を投じる内容です。

機械修理ドットコムの視点

ロボットと人間が共存する「保全の新時代」

製造現場の自動化が進む中で、修理・保全業務にも次のような変化が起きています。

① ロボット保全が新たな専門領域に

ヒト型・4足ロボットの導入により、「機械修理＝メカ調整」だけではなく、AI制御・センサー校正・通信トラブル対応が求められるようになります。
つまり、修理技術者は「メカ＋デジタル保全」のハイブリッドスキルが必須に。

② ウェアラブルによる遠隔サポート体制

スマートグラスを用いた「遠隔修理支援」や「現場教育」は、地方工場や海外拠点にも展開可能。
“現場を離れても支援できる修理体制”が現実化します。

③ 技術継承の新モデル

ウェアラブルデータとAI分析により、「誰が・どの手順で・どの動作を行ったか」が記録されます。
これにより、技術者の“暗黙知”が可視化され、次世代教育にも活用できる仕組みが整いつつあります。

まとめ

ロボットが人間の代わりに働くのではなく、「共に働く」時代へ。
そのために必要なのは、ロボットを維持・支える人間の力です。

名古屋ファクトリーイノベーションWeekは、製造業だけでなく、修理・メンテナンス分野においても新たなヒントを与えてくれる場となるでしょう。

機械修理ドットコムとしても、今後こうした展示会の現場取材を通じ、「AIと人が共に動く保全の未来」を追いかけていきます。