北海道でも始動!セブン‐イレブンが「店頭資源循環型エコ拠点」に進化
函館市内42店舗にペットボトル回収機を設置

セブン‐イレブン・ジャパンは、2025年10月24日より北海道・函館市内の42店舗にペットボトル回収機を設置しました。
この取り組みで、同社は全47都道府県での回収拠点整備を完了。
小売店舗を起点とした「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の新たな形を示しています。
出典: PR TIMES(2025年10月24日)
※内容は再構成・要約のうえ独自の分析を加えています。
回収から再資源化まで、地域一体の“循環スキーム”
函館市での仕組みは以下のように構成されています。
- 市民が店舗の回収機にペットボトルを投入
- 回収ボトルはリサイクル工場で再生PET樹脂化
- 再び「ペットボトル飲料」として製品化
- セブン‐イレブン店舗で再販売
つまり、「消費 → 回収 → 再生 → 再販売」が地域内で循環するモデル。
この構造こそ、環境負荷を減らしながら経済を回す「地方循環型の理想形」です。
回収機の特徴:設置も保守も“スマート”な設計
製造は株式会社寺岡精工。機械設計にも工夫が凝らされています。
- サイズ:W650×D500×H1,330mm
- 収容量:500ml換算で280本(2Lボトルも対応)
- 付与機能:nanacoカードをかざすと5本ごとに1ポイント
💡 技術的ポイント(機械修理ドットコム視点)
- 投入口や圧縮機構には異物混入防止センサーを搭載。
- 回収データを通信で一元管理し、遠隔モニタリングも可能。
- 定期的なメンテナンス時には、回収ラインの圧力確認とフィルター清掃が要点。
このような構造は、省スペース型圧縮機+自動識別制御という新しいタイプの小型機械としても注目に値します。
修理・保全の観点から見る「店頭リサイクル機の現実」
① 設置拡大に伴うメンテナンス需要の増加
現在4,490台(2025年9月末時点)が全国で稼働中。
今後は、センサーの誤検知・圧縮モーターの経年劣化・通信エラーなど、フィールドメンテナンスの重要性が高まります。
② コンビニ=社会インフラとしての機能拡張
災害時に備えた電源確保・情報通信網整備などと同様、廃棄物循環機器の稼働安定化も地域インフラの一部として扱う必要があります。
③ 修理人材の新しいスキル領域
保全技術者には「リサイクル装置」「自販機制御」「通信管理」の知識が求められ、
今後はIoTメンテナンス×環境機器という新たな職域が形成されるでしょう。
地域と企業がつくる“日常のエコ・インフラ”
セブン‐イレブンは、レジ袋有料化で得た収益の一部を回収機の設置費用に充当。
消費行動そのものがリサイクルの推進力になる“生活型エコモデル”を実現しています。
このような取り組みは、機械の仕組み・保守技術・地域連携が一体となって初めて機能するもの。
機械修理ドットコムとしても、「環境機器の保全を支える整備技術」が今後ますます社会的に重要になると見ています。
まとめ
今回の函館市での取り組みは、
「リサイクル機器が地域インフラとして稼働する時代」の到来を告げるものです。
単なるエコ活動ではなく、
- 店舗運営
- 機器設計
- メンテナンス
- 市民参加
が連動した“実践的な循環経済”の形。
環境と機械技術が融合する現場にこそ、次世代の修理・保全のチャンスが眠っています。
機械修理ドットコムは、こうした「社会を動かす機械の裏側」に光を当て続けます。


