病院・福祉施設の配膳をもっと衛生的に ― エレクターが新開発「ネスティングトレイカート」を発売

エレクター株式会社(東京都目黒区)は、再加熱カート用の新型下膳車「ネスティングトレイカート」を発売しました。
これまで温冷配膳車用として展開していた同シリーズに、新たに再加熱カート対応モデルが加わり、衛生性と作業効率を両立する新たな食事提供ソリューションとして注目されています。
出典: PR TIMES(2025年10月29日)
※内容は再構成・要約のうえ独自の分析を加えています。
導入背景 ― 現場の声から生まれた「専用下膳車」
同社は1998年から温冷配膳車用のネスティングトレイカートを販売し、2000年には再加熱カート「エルゴサーブ」「エルゴサート」をリリース。
しかし、これまで再加熱カート用の下膳車は特注生産での対応が主流でした。
病院や福祉施設で再加熱システムの導入が急速に進む中、「標準仕様の即納モデルがほしい」という現場の声が増加。
今回、在庫販売可能な定番モデルとしての製品化に至りました。
ネスティングトレイカートの特長
① 衛生的で安全な配膳・下膳動線
配膳と下膳を同じカートで行うと、どうしても庫内汚染のリスクが発生します。
専用の下膳車を用いることで、汚染と交差汚染を防止し、患者・利用者に安心できる食事環境を提供します。
② 業務効率の向上
配膳カートと下膳カートを分離することで、往復動線の最適化・人員の平準化が可能。
作業時間の短縮だけでなく、スタッフの負担軽減にも貢献します。
③ 省スペース設計
「ネスティング(nesting)」の名の通り、使用後は複数台をコンパクトに重ねて収納可能。
限られた厨房スペースでも効率的に保管できる設計です。
機械修理ドットコム視点
厨房・給食設備の“メンテナンス性”が重要に
1️⃣ ステンレス構造と保守性
エレクター製カートは高耐食ステンレスを採用しており、洗浄・滅菌処理が容易。
ヒンジ部やキャスターの水分残留や菌繁殖を防ぐ設計がなされている点は、医療・介護現場における保全性の高さとして評価できます。
2️⃣ カート管理とトレーサビリティ
今後はICタグ管理や自動洗浄機との連携など、給食物流のDX化にも対応可能な構造。
運用データを可視化することで、故障や不具合を未然に防ぐメンテナンス体制が構築できます。
3️⃣ 部品供給と修理支援
汎用部品設計により、キャスターやハンドルの交換も容易。
厨房設備としての「修理しやすさ」も、長期稼働の要といえるでしょう。
現場が求める“清潔と効率の両立”
給食や病院の食事提供では、安全・迅速・衛生の3要素が求められます。
今回のネスティングトレイカートは、配膳と下膳を物理的に分離することで、感染リスクを最小化しつつ、作業の流れをスムーズに保つ仕組みを実現しました。
今後、介護施設や給食センターなどでも、「下膳動線の独立化」が新たな衛生基準として広まる可能性があります。
まとめ
エレクターの新型下膳車は、厨房の“見えない衛生リスク”を機械的に解決する製品です。
導入現場では、運用効率と衛生水準の両立が求められる中、シンプルで保守しやすい構造は、長期的なコスト削減にもつながります。
機械修理ドットコムとしては、こうした「衛生×機能×メンテナンス」を一体化した製品こそ、現場DX時代の厨房機器のあるべき姿と考えます。


