電動穿孔機(大肯精密株式会社製)の水漏れに関する修理依頼です。
この機械は、水道配水小管にサドル分水栓を取付け、穴を開ける作業に使用するものとのこと。
よくある話ですが、メーカーのサポート期限切れとなっていました。
お客さまのお話では、「穿孔・解除のハンドルはクラッチがついているが、長年使用していたことから、ぐらつきが生じ穿孔ができない状況」ということです。
また、「各部シールの交換・整備が必要」との説明がありました。
こちらは今後も定期交換部品が必要なものですが、現在、メーカーでは3年前に部品供給が終了している状況でした。
当初、修理するよりも新品を購入された方が安く済む可能性があることをお伝えしました。
それでも何度かお話する中で、この機械を継続して使いたいという気持ちが強いようで、「それなら直しましょう!」ということで、引き受けさせていただきました。
弊社には穿孔工具についての知識がありませんでしたが、「水漏れ=シール不良?」というところから分解調査に入りました。
分解した様子が下の写真です。
さらに主軸をシールしている部品を分解したのが次の写真です。
Oリングははめ込んであるだけなので簡単に外せましたが、無給油ブッシュは部品を痛めないよう旋盤で削り取りました。
作業を進めていくと、ブッシュの内径がだいぶ広がっており主軸とのガタが発生していたと思われ、またそのことでできたと思われる磨耗の跡が主軸にみられます。
これ以上磨耗させないよう無給油ブッシュは新しいものに交換します。
もちろんOリングも交換です。
交換後、組立てなおした状態が上2枚です。
そして、お預かりしたときの状態に復元させたのが下の写真です。
穿孔工具そのものについての知識はありませんでしたが、「水漏れ=シール不良」というところから分解調査に入りました。
まったく同じものを扱っていなかったとしても、長年の経験から修理箇所を突き止めていくことは可能です。
ご依頼にはありませんでしたが、主軸のガタつきという症状も確認できました。
長くこの状態で使用していると摩耗が進み、メンテナンス費用がかさんでしまうことがあります。
やはり定期的なメンテナンスは必要なものになります。
一度対応させていただいたので、同じお客さまから追加でご依頼いただいた別の機械についても問題なく対応させていただきました。