該当施設は2か月ほど前に機械室が浸水。
水没してしまった機器の内の一つ、ブロワー装置が全く起動できない状態でした。
【施工前】
理論値では1MΩ以上で三相誘導モータは起動しますが、実際にはやはり陸上設置の場合、100MΩ近くまでは欲しいところです。
ちなみに水中モータの場合はもう少し低めでもやむを得ない場合が多いです。
【モータブラケット取外し】
ブラケットを外すと、内部に溜まっていた水が流れ出しました。
主軸の下部までが水たまりになっていた模様。
【分解完了】
空気の通り道にヘドロのようなものが多量に入っていました。
勿論、この時点でも絶縁抵抗値はほぼ0です。
その後、コイルの損傷がないかを確認し、コイルを乾燥させていくと、絶縁抵抗は復帰してきます。
おおよそ1時間の乾燥処置にて絶縁抵抗値は100MΩ以上となり、全く問題ない状態に復帰しました。
【清掃・乾燥後コイル状況】
かなりきれいになりました。
他には、軸受(ベアリング)のみ問題がありました。
【清掃・手入れ完了状況】
再使用部品の清掃手入れを行い、ベアリングを交換して組み立てます。
【施工完了】
このように、一度浸水してしまったモータでも、浸水状態で無理に起動を繰り返すなどの負荷を与えなければ復旧させられることの方が多く見受けられます。
今回の案件では制御盤もある程度浸水しましたが、一報をいただき、適切な処置を行ってもらうことにより全滅は避けられました。
突然、ろ過循環が行えなくなるという事態がありましたが、緊急連絡をいただき、制御盤内のリレーの接触不良により運転条件が揃わなくなっていることを発見。
当日中に復旧させることができました。