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チェーン機構の「特急」修理

平日の午後4時ごろに一本の電話が入りました。
「チェーン機構にガタが多くなり、スムーズに始動、停止しないので見てほしい。何とか明日中に機械を直してほしい。」との事でした。
弊社より車で30分ほどのお客様なので、早速工具を積載したメンテナンスカーで伺い装置を拝見しました。おっしゃるとおりチェーン部分に15mmもガタが発生しており、スプロケット周辺を分解しました。すると、長年の使用でスプロケットと軸との動力を伝えるキーが大きく磨耗していました。
修理納期を伺うと、やはりお客様は「製造ラインの一箇所なので、ここが止まるとラインの半分が止まる。在庫の量から判断しても、何とか明日の夕方までに直してほしい」とのお言葉でした。(ライン全体写真は公表できませんのでご容赦を)

磨耗したスプロケット

破損したキー

弊社では緊急の対応を「特急」という呼び方をしておりまして、今回は「特急」作業になりました。
幸い、スプロケットは通常のものでしたので、早速ネットワークを駆使して在庫を探しあて、明日の朝一番にとりに行く事に約束をしました。軸とキーは当然市販されていませんので、もって帰り採寸を行いました。幸い、シャフトも短かったため材料在庫もあり、すぐに製作に取り掛かりました。加工の担当者にがんばってもらい、日付けは変わってしまいましたが軸とキーは完成しました。

新旧シャフト

残るスプロケットは、翌朝在庫がある商社様に引取りに行きました。通常スプロケットはギザギザの外周だけ仕上げてあり、軸とキーのはまる部分は無加工です。スプロケットを会社に持ち帰り、軸とキーの部分の加工を行ないます。「急げ、急げ」となりがちですが、ここで失敗して再製作では、お客様の希望に間に合いませんので確実に行ないます。

新旧スプロケット

複数の工程を経て、スプロケットが完成しました。午後には何とかお客様に届けることが出来、製造ラインも無事に復旧しました。

弊社の特徴でもある「特急」作業はだいぶこなしておりますが、毎回緊張して取り組んでいます。ハードルは高いですが、お客様の「本当に困った」に対応できた時には大きな充実感を感じます。

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