今回は、深さが6mほどある躯体水槽の地上部にある構台の更新修繕です。
機械やポンプ類とは関係ありませんが、該当施設によく出入りしており、対象の水槽周辺機器を修繕していた事から依頼されました。
構台の井桁や表面実装の縞板鋼板の製作は協力業者へ依頼し、足場の設置や既設物の撤去、詳細収まり指示や周囲のモルタル補修などを行いました。
鉄で作られた縞板の蓋とH鋼で組まれた桁は腐食が激しく、保全作業のために上に乗るのはためらわれる状態です。
基本的に有害ガスが滞留する場所ではありませんが、入槽前には酸素濃度を測定します。
(吊るし下げて下部の酸素濃度・有害ガスを測定できるタイプです)
錆の回ったH鋼が非常に危険な状態です。
撤去中に判明したのですが、H鋼を設置するときに取り付けた25×25のアングルに、かろうじて点付け溶接が残っているだけの状態の場所が多かったです。
奥に見える吸上げ配管や壁から入ってきている配管も一時撤去し、壁から来ている配管は使い勝手と構造を加味し、ご担当者と協議の上移設しました。
深さが6mあり、床面は35°程度の傾斜がついているため、非常に足場が組みにくいです。
躯体水槽になっているため、足場のジャッキベースに仮設アンカーを打つことはできません。
槽内に突っ張りをかけることにより、X軸・Y軸の位置を固定し、それによりZ軸も固定されます。
機械関係の方にはH・V・Aの方が解り易いかもしれません。
H・Aを固定することによりVが固定されます。
サンダーで切断できる場所はサンダーで、届かない場所は酸素×アセで溶断します。
このとき、奥のユニック車で加重を受け支えています。
周囲にコンクリートカッターを入れ、周囲の枠(アングル)を撤去していきます。
新規井桁と縞板鋼板の蓋の搬入
これらはご担当者の希望により全てSUS製です。
詳細収まりに合わない部分などは、躯体側や鋼材側を調整しながら確認します。
躯体水槽内で後から撤去した既設のベースプレートの跡を保護モルタルでカバーします。
場所によってモルタルやハイモルを使い分けます。
今回は機械装置についての案件説明ではありませんが、普段から機械装置で出入りしている事から周辺装置や様々な取り合いは知っていました。
そういった部分を全て含めて、この水槽を含む装置全域の運転停止~稼働開始までの日程調整などもスムーズに行えたと思います。
本案件で必要な資格
- 足場組立等作業主任者
- 酸素硫化水素危険作業主任者
- 玉掛
- 小型移動式クレーン運転
- ガス溶接
- 自由研削砥石
- 第二種あと施工アンカー施工士
こういった資格も必要になることもあるので重要です。
今回のように、機械関係以外でも水槽内部の処理・重量物取り扱い・足場設置・玉掛・酸素濃度測定など、機械作業で培ったノウハウが有用な案件は、やり甲斐を感じます。