冷却水ポンプのオーバーホールのご依頼をいただきました。
設置から時間が経っているため、点検して欲しいという理由からのご依頼です。
ポンプにはアパートやマンションなどで使用する小型のものから、工場、プラント用などの大型ポンプ、高圧ポンプなどがありますが、今回の点検対象は「荏原製作所」製の陸上標準型のポンプです。
外見から判断すると、相当時間が経過しているものと思われます。
ポンプの金属部全体にさびが確認されます。
内部はどのような状態か、心配になる状態です。
分解作業から開始します。
カップリングボルトの状況。
ナットを外そうと試みましたが、さびや劣化がひどすぎて折損してしまいました。
外に設置されているものでも、これほどまでにひどい劣化状態のものは珍しいです。
ケーシング内部の状況。
さびやスケールが体積していました。
ここはきれいに清掃します。
インペラー状況。
ここにもさびやスケールが体積していました。
これは清掃で使えるレベルではないため、新品に交換いたしました。
メカニカルシール状況。
さび、スケールが体積して固着していました。
この部分も新品に交換します。
モーターの分解状況。
モーター組立状況。
コイル内部はきれいな状態でしたので、このまま使用可能です。
ポンプの主軸状況。
ベアリングの状態は重たくなっていました。
古くなって潤滑油が切れていたからだと思いますが、動きが重くなっていました。
この状態だと新品に交換するしかありません。
このようにならないためにも、定期的に油を差すことを推奨します。
ランタンリングも摩耗していたため交換しました。
メカニカルシール交換後。
新品部分は光って見えます。
作業のポイント
今回のような古いポンプでも、構造を理解しているので修理が可能です。
また、全てを新しいものに交換するのではなく、使える部品は継続利用し、使えない部分だけを新品に交換することで、コストを相当抑えることができました。
メーカー様に全交換を奨められるようなケースでも、ぜひ一度ご相談ください。