精密機械工場様から、塗装時の排気装置に取り付けるフードの製作と設置工事を承りました。
塗料の飛散による汚れや臭いなど防ぎ、外部へ排気する、上部排気式の装置です。
作業範囲は「図面作成」・「部材調達」・「組立」・「塗装」・「設置」です。
今回の案件には、関連する法規がいくつかあります。
- 労働安全衛生法
- 大気汚染防止法
- 水質汚濁防止法
- 騒音防止法
- 消防法
- 廃棄物処理法
また、下記のような規則や基準にも則った装置にする必要があります。
- 「有機溶剤中毒予防規則第五条」
- ”屋内作業場などにおいて、1.2種有機溶剤を使用する場合、蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュプル換気装置を設置しなければならない(要約)。”
換気装置には、「全体換気」「プッシュプル型換気」「局所排気」という分類がありますが、今回の案件は、「局所排気装置」を採用しました。
設備コストや運転コストが高く、大きなスペースを必要とする点はデメリットではありますが、周囲が汚染される危険性が少なく、廃棄の処理ができる点がメリットとなります。
局所排気装置の中でも「囲い式」「外付け式」に分かれますが、今回は「外付け式」の装置であり、制御風速において以下のような基準があります。
- 側方吸込…0.5m/s以上
- 下方吸込…0.5m/s以上
- 上方吸込…1.0m/s以上
上記基準を満たすような仕様で設計を行います。
工程
1.の設置枠にフィルターを取付ける枠が7マスあり、こちらに2.のフィルターを取付け、フードに設置します。
外部へ空気を送る際にフィルターで不純なものを除去し、きれいにした状態で排出します。
お客様のご要望は「塗装する作業場に飛散した塗装を吸気する装置を設置するので、フィルター付きの外付けフードを設置して欲しい」とのご依頼でしたので、今回はこのような形になりました。
塗装ブースはとても大きなものになるので、フードは2つに分けた状態で製作しました。
フィルターも入れると3のパーツに分かれており、現場にて組み合わせ、設置工事を行います。
設置工事が完了後お客様に納品となります。
作業のポイント
今回、お客様からご要望いただいたのは「設置場所(サイズ)」と用途のみでした。
このご要望を元に、図面製作からフィルターの選定、フード製作と、当社の実績・経験を活かしてニーズに合った最適なものづくりを行いました。
具体的な図面や構造などのイメージをお持ちでない場合でも、お客様の理想に近い形で具体化していきます。
関連法規に詳しくないお客様にも、必要な条件等を説明しながら、法令に則った装置の仕様に仕上げます。
ぜひお気軽にご相談ください。