某紙製品製造会社で使われているテーブル式リフターの修理を承りました。
テーブル式リフターとは、テーブルがパンタアーム(X字状アーム)を介して水平に昇格する装置です。
パンタアーム間に設置されているシリンダーの推力により、パンタアームを開閉してテーブルを昇降させます。
不具合内容
この機械のケースでは、アーム部のピンの取り付け部の損傷部が酷く、起動してもまともにアームを上げることができずに、使い物にならない状態でした。
そのためアーム部と滑車動作部のフレームをまっすぐの状態に補正し、磨耗した軸部分を修復する必要があります。
今回の作業内容
- 湾曲したフレームの補正
- アーム部とシリンダーを繋げる為のピンの製作・交換
- ピンを取り付ける穴の補正
- 滑車をスムーズに動かす為の下部フレームの補正
- 現地での組立て・設置
作業工程とポイント
平成29年11月3日、作業を開始しました。
- まずは修理をするため、各部品に分解していきます。
- 接触部及び穴が磨耗していた為アーク溶接修復しました。
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湾曲したパンタアームのフレームを補正しました。
その際、フレームの湾曲部分をプロパンガスを使ったバーナーで温め、更にアセチレンを使ったガスバーナーで炙ることで熱を冷ましにくくし、その後ハンマーで叩くことによって効率的に補正をおこないました。 - アーム部とシリンダーを繋げる為のピン(図1)を新たに作成し、磨耗したもの(図2)と交換しました。
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アームの滑車部がスムーズに動くように下部フレーム(図3)を2mmほど広げました。
下部フレームはレバーブロックとアセチレンバーナーで補正を行ないました。 -
納品日当日に納品先の工場で修理したリフターの取り付けを行ないました。
また再度下部フレームの調整を行ないました。
このような事態を防ぐために
今回のように軸部分の磨耗を防ぐには、少なくとも半年に1回は接触部に油をさすようにして下さい。