パイプ製造工場で使われている設備の保全分解修理を承りました。
鉄管を加工する際に、加工機へ送り出す為の装置で、「ローラーが摩耗してしまったので交換してほしい」とのご依頼です。
確認したところ正常に作動はしていたのですが、ローラーの摩耗がこれ以上進んでしまうと、正常に作動しなくなる恐れがあります。
今回の対応は不具合が出る前の保全作業なので、ローラーの交換及び、モーターの交換をおこなうことになりました。
作業内容
- ゴムローラーの交換
- ローラー部ベアリング交換
- ゴムローラーを動かす為のモーターの交換
- ゴムローラーの高さの調整
- ローラー部の土台加工
- ベアリング交換やボルト交換と可動部へのグリスアップ
整備状況
パイプをゴムローラーを使って送り出す装置です。
こちらの写真では摩耗してしまっています。 ゴムローラーの接続部のボルトを取り外したあと、クレーンではつりゴムローラーを取り外します。
重量物を取り扱う際には注意が必要です。 オートレベル(測量機器)ですべてのゴムローラーの高さをスペーサー等で均一に調整します。
ゴムローラーは全部で5台ありその上に長いパイプを乗せて送り出すため、すべてのローラーの高さが均一でないとローラーがパイプと設置せず空回りしてしまい、ローラーが機能していないことになってしまいます。
試運転調整
同じローラーの装置が数台あるので、それら一つひとつがパイプと接触しているかを確認します。
また、スイッチを押すと同時に作動し、パイプをしっかりと送り出せているかを確認し作業終了になります。
作業を終えて
今回の作業のポイントは、主に下記の2点です。
- 重量物をクレーンではつりながら慎重に取り扱う
- オートレベルを用いて高さを均一にする
また、基本的なことですが、接合箇所のボルトを締める際には対角線上に締めて均等に締力がかかるようにしました。
均一にしておかないと1ヶ所だけに締力が集中してしまい、外力がかかった時などにそこが破損してしまうことがあります。
今回は不具合が発生する前にご依頼いただいたので、作業工数も少なくて済みました。
摩耗品の交換のタイミングはご利用環境に左右される為、定期的にご確認いただき、不具合が発生する前にお声掛けください。