ご要望と状況確認
今回はポンプの分解整備をご依頼いただきました。
メーカーに現地調査を依頼したところ、もう部品がないという理由で断られてしまったようです。
確かに半屋外での使用ということもあり、状態と設置状況は非常に悪いことは事実ですが、機械の型式的に部品がないというものではありませんでした。
そして、現地調査時に制御盤を拝見すると、マグネットスイッチも接点が荒れており、継続的な使用は難しい状態でした。
ポンプの整備は可能ですが、同時にマグネットスイッチも交換しないと今後恒久的に使用するには問題があると、同時交換を提案しました。
また、現地は施設の大改修を行っているところでした。
既存ポンプは2箇所に2台ずつの計4台あるのですが、2箇所が離れた場所にあります。
1箇所の2台は撤去するとの事でしたが、生かしたい2台セットのうち片方はロックしているため、撤去する内の1台と交換して欲しいとの事でした。
作業工程
ポンプ施工前状態
制御盤内部状況(撤去する2台セットは遠方操作盤がありますが大元はここに集約)
80kg以上あるポンプなので、天井にアンカーを打設し、チェーンブロックで取り外します。
ロックしていると言われていたポンプを分解してみると、コイルもダメだろうと言われていましたが問題なさそうです。
コイルそのものは非常にきれいです。
この時点で絶縁抵抗値を測定しましたが三相共に100MΩ以上あり、問題はありませんでした。(元請けさんへ報告し、復旧の許可をいただきました)
各部清掃・手入れ後
組むと後から塗れなくなってしまう部分の外面色の補修塗装もしてあります。
交換部品は通常消耗品のみです。
ポンプ組立後
組立後に念のために絶縁を測ってみたところ問題ありません。
2台整備し、元の場所へ設置。
(周辺配管は全交換のため撤去されています。:別途工事)
今度は電気工事です。
問題のマグネットスイッチです。
年式が非常に古かったため、カバーを外して確認したところ接点荒れが非常に進んでいる状態でした。
(これがさらに進むと欠相状態で運転してしまい、モータの焼失を招きます)
新規マグネットスイッチです。
(パワーリレーも老朽化していたため同時交換です)
既設のマグネットスイッチはかなり古く電磁コイルの電源の配置が違うため、配線をある程度やり直しています。
当日は配管の復旧が間に合わないとのことで、制御系のみの動作確認をし、後日試運転確認に伺いました。
何の問題もなく運転できていました。
ポンプ単体でのご依頼でも、システム全体を視野に
今回の案件はメーカーが整備を断った(真意は解りませんが)ポンプを整備したことと、同時に交換しないと危険な電気部品の交換を提案し施工しました。
ポンプ整備はもとより、現地の方は大元の制御盤と手元スイッチ盤の関係が解ってはおられなかったようですので、弊社で制御盤の構造などが解った事で危険や再工事の発生を食い止められたのではないかと思います。
もちろん、電気工事は有資格者で行っております。
自社内で完結できるため作業費の削減にもなったのではないかと思っております。
ポンプ単体のご依頼でも、整備をしたポンプが恒久的に安全に運行できるようシステム全体を確認させていただいております。