異色なお話しですが、「機械修理の一番の根本とは……」と、思わされる案件でしたのでご紹介いたします。
作業前所見
パイ生地を伸ばす機械なのですが、厚さを変える部分が動かなくなったという案件です。
「電動式なので、電気的な部分も絡んでいるのかな??」
「機械部分だけかな??」
など、いろいろ考えながらお伺いしました。
このような感じの機械で、センター部分のハンドル的なパーツが左右にスライド動作して、パイ生地の厚さが変わるそうです。
ほんの少し動くのですが、内部で何かに当たっているような感じがします。
早速原因の調査を進めていきます。
原因の特定と解消処理
まずは覗き込みながら、構造を探ります。
必要な場所を全て取り払いました。
しかし、どうにも当たる場所がありません。
そもそも、動作の軸の軸受けがどこなんだか解らない構造……と、思いきや、クリーム色の金属に穴をあけて、ローラーの軸が直接刺さっているだけ、という事が判明!
なんという事か、軸受けそのものが無かったのです。
まぁ、この構造の設計の是非は何を言っても変わらないので仕方ないですが、そうなると、動かなくなる原因は「固着」でしかない状況です。
多少錆も内部に入っているようなので、潤滑剤を注しながら少しずつ可動域を広げていき、最終的には衝撃を与えて全可動域帯を確保。
その後は根気よく注油しながら動作をさせ続け、軽く動くようになりました。
対処としては、以上です。
テクニカデベロップメントのスタンス
こういう原因って、本当に業者からすると困るんです。
「専門家じゃないと解決できない」「その分野に精通しているからこそ直せました!」と、いう訳ではないのです。
どこか「なんだ、それだけ??」というがっかり感が漂います。
こういうことは、今までに幾度か経験しています。
でもやっぱり、直ったときは喜んでいただけるし、ユーザー様が対応できないことを、対応させていただいたことには変わりないと思います。
そして、こういう事こそ「修理の一番の原点なんじゃないかな……」とも思えたら、なんだか感慨深くなりました。
テクニカデベロップメントは基本的にポンプ・送風機・ろ過器等のメンテナンスに特化した機械器具設置業です。
重量物なども扱いながら、1/1000mmなどでの据付や調整を行なえることが特色であり、付随した電気・配管・基礎工事なども一括でお請けできるのがさらなる特色だと思っております。
しかし、時には小さなものであったり、様々な要素が絡んでいそうなものであったりといった、専門外の案件にも携わる事があります。
電気だけとも機械だけともつかないような、見てみないと分らないような案件は、何人もの業者のたらいまわしになる可能性があります。
さらには、どこの業者も専門から外れるために対応可能となる会社が現れないような場合には、私たちで解りそうな場合「専門外ですが……」とお伝えした上で、対応させていただく場合があります。
どんなに専門的な機械だろうが、汎用機械だろうが同じです。
どんなに大きな機械だろうが、小さな機械だろうが、その機械がないと営業や作業にならないことに変わりはありません。
「全てはユーザー様の業務の正常化のために、お力になれれば!!!」
ただただ、それだけの思いで対応させていただいております。