サイトアイコン 機械修理やメンテナンスは機械修理.com

ダム建設プラントのポンプメンテナンス

2019年7月から8月にかけて、ダム建設プラントのセメント吸い上げ用ポンプ2台の定期メンテナンス及び修理を行いました。
内部のファンとケーシングの回転によって、セメントを吸い込んで運ぶエアポンプです。

状況確認

表面がかなり泥で汚れており、内部のファンやケーシングの損傷がひどくなっています。
吸い込む時にセメントに混ざっている砂利によって削れるため摩耗が早く、このまま継続的に使用した場合、内部のファンやケーシング、オイルシールが破損し、セメントの異物混入や逆流が起こる可能性があります。
これによって大きな事故を招く恐れがあるため、シュウワエンジニアリングで定期的に修理を行っております。

作業内容

整備工程

必要な部品を調達し、水中ポンプ1つにつき約1週間、計約2週間で分解作業・清掃及び塗装作業・部品交換・圧力試験・組立・納品及び取付を行いました。

作業1 部品発注
作業期間:分解作業開始の約3ヶ月前

修理に取り掛かる前に交換用のファンとケーシングを発注します。
これまでのメンテナンスでは、ファンとケーシングは毎回交換が必要な状態でした。
経験上、今回も交換するべきことは想定できます。
交換用のファンとケーシングはメーカーに発注してから仕入れるまでに2ヶ月以上かかりますので、あらかじめ発注しておきます。
こういった事前準備も含め、長年の定期メンテナンスを任せていただいているからこそ効率よく対応することが可能です。

作業2 分解作業
作業期間:1日目

水中ポンプを分解し、劣化したファンとケーシングを取り外します。

修理前の水中ポンプ

作業3 清掃作業
作業期間:2~4日目

水中ポンプのカバー部を水ややすりなどで洗浄し、泥や錆、古い塗装を落とします。
その後に塗装し直します。

作業4 部品交換及び組立
作業期間:5~6日目

新品のファンやケーシングをポンプ内に取り付け組み立てます。

修理後の水中ポンプ

作業5 圧力試験
作業期間:6日目

修理した水中ポンプに空気を送り、圧力計測器を取り付けて水中ポンプの圧力を測定します。

作業6 納品及び取付
作業期間:7日目

修理した水中ポンプを納品現場に運び、取付を行いました。
試運転の中で圧力試験を行いましたが、問題ありませんでした。

作業ポイント

確実に修理するため、組立後メカニカルシールからのオイル漏れとモータ部の密閉が問題無いかどうかを圧力試験でチェックしました。
シュウワエンジニアリングはこのようなエアポンプのメンテナンス実績が数多くあるため、チームで効率よく確実に対応いたします。

日頃のメンテナンスのポイント

作業後にオイルの補充とファンの清掃をこまめに行ってください。
セメントなどの粉末や砂利を混ぜた液体に対してこのような水中ポンプを使用した場合は、ファンとケーシングが傷むのが早いのは仕方ないことです。
定期的に(2~3ヶ月が目安です)交換するようにしてください。
(普通の水に対して使用する場合は半年から1年の間であれば問題ありません)

また、吸い込んだ砂利によるファンの摩耗を軽減するために、吸い込み口にフィルターを取り付けることは有効です。
さらに、修理が必要になったときのために工場での用途に合わせて予備を用意しておくことを推奨します。

モバイルバージョンを終了