印刷工場で使われているエアーコンプレッサーの不調のご連絡をいただきました。
印刷物を搬送する装置に使われているコンプレッサーで、圧縮空気を送り込むことによって印刷物を送り出す仕組みになっています。
そのコンプレッサータンク内の圧力が上がらないという内容でした。
状況確認
コンプレッサーに圧力をかけると通常はスムーズに上がりきるのですが、圧力をかけても上がりきらない状態でした。
圧力不足により搬送機が全く動きませんでした。
圧力計で計測したところ、想定される通りに圧力が上がりません。
どの部分からか圧力漏れがあることが想定されましたので、分解しながら圧力漏れの箇所を特定していきます。
結果的に、原因は圧力ホースのジョイント部とタンクが経年劣化しており、圧力漏れしていました。
また、フィルターの汚れも圧力不足を起こす原因となり、圧力漏れにつながっていました。
こういった機器は、年月を経ることよってホースのジョイント部が劣化しやすい傾向があります。
私たちも同様のケースで圧力漏れがある場合にはまずこの部分を疑うので、その点では順当な結果でした。
ただ、タンクがこのようにひび割れするほど劣化するのは珍しいことです。
圧力不足での運転は本来の圧力で作動している機器にも圧力がいかず、最悪故障等の影響の恐れがあると思います。
今回の工場では、コンプレッサーから印刷物を搬送する装置に圧縮空気を送り込むのですが、圧力が足りないことによって、正常な運転ができずに負荷がかかり、機器の故障等の恐れがあります。
この状況を改善するには、部品が劣化してしまっているので新品に交換しかないと判断しました。
稼働する部品はどうしても消耗してしまうので、定期的に交換することが順当です。
商社に問い合わせたところ、想定していたよりも安価で新品が調達できることになりました。
修理するのではなく、新品への交換を提案することがベストだと考えられます。
依頼主さまと相談した結果、圧力タンクの交換とそれに付随する部品(ホースやフィルター等)を新品の物に交換することとなりました。
作業内容
- 圧力タンクの交換
- 圧力ホースの交換
- フィルターの交換
- 接合ネジの交換
- 可動部へのグリスアップ
整備工程
作業1.分解
他の箇所に不具合が無いかを検査しながら分解組立作業を行いました。
作業2.圧力タンク交換
圧力タンクがひび割れで空圧が漏れていたので取り外し、新しい圧力タンクに交換を行いました。
作業3.フィルター交換
圧力タンク部のフィルターも汚れていたので新しい物に交換しました。
作業4.完成検査・試運転の結果
圧力タンクからの空気漏れ等がないか確認しつつ、印刷機器が正常に運転するかを確認しました。
圧力ホース取り付け部からも空気漏れが無いかを確認しました。
想定通りに圧力が上がりました。
再発防止のアドバイス
定期的に点検を行うことで圧力が漏れている等の発見につながり早期発見ができ、対応できると思います。
それだけ日頃からケアしても、分解して点検することは意味がありますので、半年に一度の定期メンテナンスをご用命いただくことをお勧めいたします。