「製麺機のローラー部分からガタガタと音がするようになり、伸ばした麺の端が不均等な仕上がりとなり、製品にならなくて困っています。」との相談があり、対応させていただきました。
メーカーは廃業されており、サポートが受けられないということです。
ガタツキの原因は、ベアリングかシャフトの不具合の可能性があるということでした。
早速状況を確認します。
状況確認
以前はメーカーが定期的にメンテナンスを行っていたとの事ですが弊社が確認したところ、ローラーのシャフトを支える自動調心ころ軸受がアダプター式、AWの座金が全て折ってある状態とかなり特殊な仕様でした。
使用用途としては高温の餅状の素材を流すため、ローラーのシャフトの熱膨張を考慮した構造でなければなりません。
しかし、残念ながら本機械にはその機能はなく、その伸びしろをベアリングが受けている状態です。
そのためベアリングが摩耗し、またアダプターを締め直すことを繰り返していたようで、ベアリングはガタガタでした。
作業工程
出荷納期が迫っているため、機械を長時間止めることができないとのこと。
そこで、シャフトが熱膨張したと想定される微妙な位置でベアリングを固定する事で応急処置といたしました。
加えて、ベアリングカバーとシャフトがぶつかり、カバーが擦れていたので(下の写真にある新聞紙の上のカバー裏が擦れていた箇所)旋盤加工もいたしました。
今後の対応
今回は応急処置的に対応させていただきました。
その後の検討事項として、下記3点を提案させていただきました。
- ベアリングの交換時に駆動側を固定し、反対側はシャフトの伸びしろ分のスライド構造に改造する。
- プーリー・ギヤの固定方法がテーパー状のキーを打ち込む方式でしたが、テーパーの高さが足りないためにシムプレートを数枚挟んでいる状態だった。
これではメンテナンスが行いづらいため、押しネジ方式に改良する。 - (当然のことではありますが念のため)ベアリング用グリスも食品用機械グリスを使用する。
上記をご検討いただき、必要な時にはお声がけいただくということで、今回のご依頼は対応完了となります。