今回はあるホテルの排水処理施設のブロワーと水中ポンプの配管工事(交換)と、配線缶の取り付け、縞板製の溝蓋の作成・交換を行いました。
設備概要
「廃水処理施設(生物的処理)」とはその名の通り廃水を処理する装置で、今回の場合は廃水に微生物を加えて溶解・浮遊性有機物を食べてもらい、水と炭酸ガス等に酸化分解させる生物的処理という方法で浄水しています。
ブロワーはその微生物に空気を送って育てる為のものです。
今回の場合地下に水を貯めており、上の写真の赤丸部分の地下に排水ポンプと貯水タンクが、ブロワーポンプが青丸の部屋にあります。
ブロワーポンプで貯水タンクの水に空気を送ることで水の中の微生物を活性化させ、水を浄化した後に水中ポンプで次の工程に運びます。
状況確認
水中ポンプ1台が経年劣化で完全に壊れて作動できない状態でした。
またブロワーや縞板製の溝蓋も大分劣化していた為それらを交換する必要がありました。
一部の配線がむき出しになっていたので、その配線を覆う配線缶の取り付けも行いました。
作業内容とポイント
作業中に酸欠にならないように送風機を入れて空気を送り、専用の測定器で酸素濃度を確認しながら作業を行いました。
この時酸素の濃度18%未満になると酸素欠乏症になる恐れがあるので、常に測定器で酸素濃度を確認しながら作業を行います。
作業工程
作業1
まず、最初に既設の配管や配管を撤去しました。
作業2
配管のある床下に潜り、水中ポンプを交換・取付を行いました。
作業3
水中ポンプに取り付けられている配線を交換しました。
作業4
ブロワーの配管の交換・取付を行いました。
作業5
持ち込んだ縞板に取っ手を溶接しました
作業6
最後に溶接した縞板を溝に設置してブロワーと水中ポンプの試運転を行い、作業は完了です。
アドバイス
定期的な点検・整備は勿論ですが、配管にはスケール(水に含まれるカルシウムやマグネシウム、シリカなどの無機塩類化合物が固形化し施設に付着したもの。放置しておくと配管が詰り、ポンプの機能低下や逆流などの故障を引き起こす恐れがあります)が出ないように定期的な清掃や専用の赤錆剥離・除去電磁気装置の設置などをする必要があります。