概要・経緯
飲食店の厨房に設置してある業務用冷蔵庫の修理依頼をいただきました。
屋外設置してあるコンプレッサーの動作が思わしくないということです。
具体的には、漏電ブレーカーが落ち、庫内温度が上がってしまうということでした。
作業前所見・原因の解明
想定されるのは、コンプレッサーの電動機の絶縁不良、または三相のうちいずれかが片相運転なのか?ということでした。
テスター、絶縁試験機(メガー)などを使って症状を確認していきます。
テスターにて漏電ブレーカーは問題なし、三相とも問題なし。
コンプレッサーのマグネットリレー接点も問題はありません。
結論としては、電動機の絶縁不良でした。
このまま使用していくと、電動機の焼損・破損、マグネットリレーの接点破損など大きな故障となります。
解決方法の検討
電動機の接地場所が高湿になる場合があるため、カバーの提案と第一種接地工事の提案をしました。
カバーは最低限のものと、接地工事を行います。
冷蔵庫が冷えないと食品の衛生にも影響が及ぶため、できる対策を早急に行うことをお勧めし、お客様からご納得いただけました。
作業内容
- 電動機など電装周りをドライヤーにて乾燥。絶縁試験機にて絶縁確認
- ケーブルにも水分が入り腐食が見られるため、ケーブル交換
- 耐久性を考慮し、アクリル板にてカバー作成(現地にて)
- 設置工事を行い接地抵抗の確認
- 試験動作、リーク電流の確認
作業工程
下が土のため湿度が高くなるので、防湿用に板を敷きます。
あわせて周りをアクリル板で囲い雨対策を行います。
アースについては、1mほど穴を掘り、炭などとともにアース棒を埋設します。
完成検査・試運転の結果
数時間運転しても漏電ブレーカーは落ちなくなり、触っても感電はありません。
テスター、絶縁試験機でも漏電していないことを確認し、作業は完了となりました。
再発防止のアドバイス
- 湿度の高い場所では、除湿対策を行う必要があります。
また、このケースではありませんが工作機械などでは切削油などで漏電する場合もあるため、できる限り油や水分はふき取るようにした方がよいでしょう。 - 漏電ブレーカーが落ちた時に、安易にブレーカーを入れてしまいがちですが、調査をして根本原因を見つけてからブレーカーを入れるようにしましょう。