ポンプのオーバーホール
某市の施設の高額ポンプのオーバーホールを行いました。
請負形態としては、メーカー直系のメンテナンス会社からの依頼です。
【施工前】
高圧・高温の流体を送るため、各部に冷却水を注入しているポンプです。
メカクーラーというメカニカルシールへの注入水を冷却するものも併設されています。
【分解前芯出し確認】
分解前に初期の芯出し状態を確認しています。
【ポンプ取外し】
小配管を取外し、水抜き後にケーシングからポンプを分離。
簡易門型治具を使い、取り外します。
【分解完了】
完全に分解しました。
【再使用部品・清掃完了】
消耗品以外の部分は丹念に清掃し、各部の確認・手入れ等を行います。
【寸法測定】
重要部(能力や保守にかかわる部分)の寸法を100分の1ミリ単位で測定。
メーカーメンテナンス基準値に当てはめ、判定します。
【組立中】
全て基準値内であることを確認し、組み立てに入ります。
過去の数字の推移と比較し、次回整備時のご提案も報告書に記載します。
【軸ブレ測定】
主軸の軸端の振れ幅の測定を行っています。
ポンプとモータの芯出し時の数値は厳密には軸芯ではなく回転芯同士の数値になります。
ここが狂っていないことも重要な要素の一つです。
【ポンプ組立完了】
ポンプ本体が組みあがり、復旧です。
【据付中】
軸継手がタイコ入りのコーンフレックスのため、ポンプとモータにはかなりの距離があります。
【芯出し調整】
小配管を復旧し、ポンプに水張りをしてから芯出し調整を行います。
この対象機の基準値は面間・外周共に100分の10以内です。
この時は面間が100分の5、外周が100分の4に収めました。
【据付完了】
後は試運転を待つのみです。
試運転時の計測内容は各軸受け部の振動全振幅・振動加速度・温度推移・均衡温度などと、電流値、各圧力から運転状態が適正であるか判断します。