温調弁の整備

今回は、温調弁の中でもボールバルブ式などではなくリンケージを使って上下動させているタイプのバルブの整備です。
施設管理のご担当者様が誤って異常な高圧をかけてしまい、グランド部から漏水が発生する状況でのご依頼となりました。
作業前所見
グランド部から若干の漏水が見られるが、昇温・昇温停止に問題は見られません。 そのため、異常高圧をかけた際にグランド部に負担がかかり、水道(みずみち)ができてしまったものと判断しました。 昇温・昇温停止能力に問題がある場合は全分解整備もおこないますが、今回はグランドパッキンのみの交換となります。作業工程
この弁は構造上真ん中の部品の内側と外側にOリングがあります。 温調弁側も相手のフランジもFFタイプなので、今後の漏れの可能性を低くする意味合いで内パッキンを選定。 また、蒸気を通すのでより信頼性の高いボルテックスタイプのパッキンを選定しています。 これは二方弁ですのでテンション調整は閉方向のみの調整となります。 この手のバルブは全開・全閉時のテンション調整が重要となり、これを怠ると温調状況の不良を起こします。参考:過去事例
過去事例ですが同様の温調弁の三方弁の全分解整備も行っていますので、簡単にご紹介します。今回の修理のポイント
- 開方向でリークが発生すると、昇温・冷却能力が低下します。
- 閉方向でリークが発生すると、昇温・冷却過多が発生します。