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ヘリカルブロワーの整備

株式会社テクニカデベロップメント

今回はヘリカルブロワーの分解整備です。
該当機は水処理設備に使われているのですが、動作工程の中で水が逆流した結果、本体内が水没したためロックしてしまったという事でした。

当初はブロワーのみの整備依頼で、配管の修繕は考えていないとの事でした。
ですが、ヒアリングした結果、整備と同時に配管の改修をし、配管系統に逆止弁を取り付けることを提案しました。

これは自動制御弁が開いてからブロワーが回る事、そして自動制御弁の向こう側は常に水が溜まっている事から、水の逆流で再度水没しないための措置です(ブロワーが回ってからの開弁は危険)。

実は、このブロワーには内蔵逆止弁はあるのですが長期使用時の信頼性に問題があります。
そこで、別途信頼性の高い逆止弁を取り付ける必要性を説明させていただき、結果として取り付けることでまとまりました。

作業工程

施工前

赤矢印部分に逆止弁を取り付けます。

まずは、ブロワーを持ち帰ります。 管端の止水処理も行いました。

タイミングギヤのオイルを抜きます。特に目立ったスラッジや破片は出てきません。 ロック時にタイミングギヤへの影響はなかったようです。

分解前に内部をのぞいた状況。 なかなかすごい事になっていそうです。

ようやくローター摘出。
通常1時間程度で終えられる作業なのですが、4時間くらいかかりました。

分解完了です。
小さいブロワーですが、部品点数はそこそこあります。

内部は水が浸入し、錆が異常に溜まっていました。

一つずつ、ケレンし、磨いていきます。
根気勝負です。

全ての清掃が完了した状態。
工場整備なのでこの機器だけにかかりっきりではありませんが、数日間かかってしまいました。

交換部品もそれなりに点数があります。

組立中

タイミングギヤ取付。
これは中のローターのクリアランスを調整しながらタイミングギヤを打ち込みます。

モータも整備し、外面補修塗装を行います。

工場での運転確認です。
タイミングギヤのセットが悪いと大きな異音がしますが、問題なく回ってくれました。

それぞれ、外面補修塗装です。
屋外設置なので念入りに……。

現地に据付を行います。

配管改修として、記事冒頭で提案が通った逆止弁を取り付けます。
本来部分的にカットして逆止弁を入れればいいのですが、周囲の配管の劣化が激しいために強度と接着の信頼性が低いことから、ランジ~フランジで改修です。

配管改修も完了です。

試運転を行い、問題なく稼働することを確認しました。
もちろん、逆止効果も問題ありません。

日々の業務で心がけていること

今回のように、機器そのものの分解整備のご依頼でも、その機器に何が起こっている(起こっていた)のかを確認し、可能な限り再発防止案を提案させていただきます。

通常のルーティンでの整備の場合でも、分解した際には内部部品などの状態から「何か運行に問題がなかったか」、もしくは「単純な経年使用(若しくは劣化)によるものなのかどうか」を常に確認させていただいております。

全ては恒久的に使用する機器を安心して今後も使用するため、そしてトータルコスト・維持コストを少しでも削減できれば良いのではないか……と思っております。

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