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ポンプの不具合:第7回 様々なポンプ(構造と特徴)

ポンプシリーズのまとめとして、様々なポンプの紹介を行います。

連載中の考察に使ったポンプは、一般的にポンプと言ったら・・・てきな遠心渦巻ポンプの中でも特定の物を軸にお話しさせていただきました。

実は・・・というか、当然、ポンプは遠心渦巻の登場したもののみではありません。
もちろん、ここでは手動式は除いて考えますが、順にあげていきます。

通常、「単段」は表記しませんし、口頭でも表現しませんが、分類の為に敢えて書いてみました。

また、分類や表現はメーカーによって変わることもあり、絶対的なものではありません。

遠心型渦巻

【陸上(単段)】

陸上(単段)ダイレクトポンプ

同等能力で比べるともっとも安価でスペースが要らない反面、ダイレクト型に共通で、能力を出すためにモータが2Pのみになっており、整備サイクルが短いです。

【陸上(多段)】

陸上多段ダイレクトポンプ

ダイレクトでありながら、多段羽根にすることにより、ポンプサイズに比べて非常に揚程(吐出圧)を高めたタイプ。

陸上渦巻ポンプ

通常、「カップリングタイプ」は、表記も表現もしません。

もっとも一般的で標準的なポンプです。
産業用になると、軸受がオイルバスの物や高押込み用に強化メカを採用しているものなど派生種がたくさん存在します。

(陸上)ラインポンプ

水中のラインは存在しないので、「陸上」とは表現しません。

循環系統の揚程があまり必要でない場合によく使われます。
配管ラインに対して容易に取り付けられ、コンパクトなものが多いです。

また、機械室の上の方に天吊りになっている事が多く、整備泣かせなこともあります。
画像の物は、接液部がステンレスになっているタイプです。

(陸上)両吸込みポンプ

水中両吸込みは存在しないため、「陸上」とは表現しません。

ポンプサイズに比べ、大流量が望めるポンプです。
汎用では見られませんが、両吸込みで多段という、大流量で高揚程のモノもあります。

陸上多段ポンプ

羽根車が何枚も入っています。ケーシングを直列に並べているため高揚程が望めます。
主に、揚水用や高押込み用途に使われます。
ベアリングタイプもありますが、能力が高いものになると、メタル軸受+バランスディスクの仕様になります。

(陸上)自給タイプポンプ

水中ポンプで自給は存在しないため、「陸上」とは表記しません。

ポンプよりも低い水位からの吸上げ起動に優れている反面、内蔵チャッキのトラブルも多いポンプです。
ただし、水位の方が低い場合、このタイプでないと落水後の起動は困難です。
(吸上げ機能は万能ではありません。設置時の選定が重要です。)

【縦軸ポンプ】

縦軸ポンプとは、ただ単に主軸が地面に対して垂直になっているだけではなく、中間軸などを介して動力(電動機や内燃機関)とポンプがつながっているモノに使われます。

大型のものが多く、大きな工場やライフラインに使われているのがほとんどです。

また、ユニットになっていて、単独で機械基礎に据え付けるものもありますが、2床式、3床式など、非常に大型のものもあります。

配管口径で1350Aクラス以上になると、ポンプのみで10トンを超えるものになります。

1350Aの2床式斜流ポンプの搬出計画時の重量算定図

【水中ポンプ】

水中ポンプも用途によって種類は非常に多く、種類分けが難しくなります。

設置的な振り分け

  • 投げ込み型(多段もあり)
  • 電源をつなぐだけで自動運転するもの(2台並列交互を自動で行うものもあり)
  • 着脱式据付型
  • 完全据え置き型
  • フライホイール付き

水質的・水流的な振り分け

  • カッター刃付き
  • ボルテックス(渦巻き)
  • 斜流
  • 軸流
  • キャンドモータ
  • 多段

体積移動型

体積移動型は、渦巻きのように羽根車で遠心力を与え、ケーシングボリュートで圧力を出すのではなく、ある特定の体積を繰り返し送り出すポンプです。
非常に高い圧力を出せたり、確実な流量の確保や、高粘度液体などの移送に優れています。

連載終了のまとめ

今回で7回にわたる連載も最終回となりました。

ポンプのことで気になること、分からないことなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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