設備概要・不具合状況
食品製造工場で使われている、製造ラインの昇降装置の修理を承りました。 モータにより空圧で昇降装置を作動させるのですが、動作不良の為、部品交換を含む分解整備をおこないました。
症状としては、「空気圧で上下するものが、空気が送られないため上下しない」というものです。
原因は空圧シリンダーの不具合。
空気の弁やパッキンが経年劣化により機能しなくなった状態でした。
その状態で無理して使用し続けてしまったこともあり、シリンダーに傷がついて空気が漏れてしまうほどに悪化していました。
ここまで悪化してしまうと、新品のシリンダーに交換するしかありません。
作業内容
- 空圧シリンダーの交換
- 操作盤ゴムパッキンの交換
- ケレン清掃・サビ止め塗装
- ポンプSUSカバーの製作
これまで通りの状態で使用されていると、問題になりそうな点が一つありました。
屋内で使われるものですが、モータ部分が露出している為、誤作動の原因となるほこりやゴミ、水等により、破損してしまう可能性があります。
そこで、ステンレス製のカバーを作成してモータの動作を保護するようにしました。
また、外観をきれいにする為に新しく塗装をおこないました。
古い塗装塗膜をすべて取り除き、きれいな塗装面に仕上げます。
- 昇降リフター
- モータ部分
- ポンプSUSカバー(取付前)
試運転調整
分解した装置を組立後、昇降動作をおこない、正常に動作するかを確認いたしました。
作業ポイント
モータにより空圧で昇降装置を作動させるので、空圧シリンダー交換の際には空気漏れなどが無いかなど、しっかりと確認します。
空気漏れがあるとシリンダーの空気圧が適正値までいかず、正常に作動しなくなる恐れがあるためです。
また、ポンプSUSカバーを取り付ける際にコード類やホース類に干渉しないように取り付けました。 今回の不具合の原因の一つである「パッキンの劣化」は、グリスなどを塗っていればある程度防げます。
日々のメンテナンスや定期点検をおこない、状況確認をおこなってみてください。
また、「通常よりも荷物が上がらなくなったな」と感じたら要注意。
無理して使い続けると大がかりな修理となりますので、早めの点検を心がけましょう。