封入機の修理
東京営業所より緊急対応!
機械修理.com を通じて緊急修理対応依頼がきました。
内容は「ビニールのロールを使って白衣などを包み、熱で袋状にするための機械の電源が入らない。温度調整機能などもない、電源を入れれば熱が入るシンプルな機械です。メーカーは廃業しており、修理していただける業者さんを探しています」とのこと。
直ちに出動!と言いたいところでしたが、東京営業所は開設したばかり。
まだ『メンテナンスカー』が配備されていないので一般工具箱と今回重要と思われる電気テスターを持っていざ出動です!
状況確認
今回の現場対応はセールスマンAが担当、知識不足に不安があるので本社へ連絡!
遠隔サポートが可能になるようにベテランエンジニアが待機します。
株式会社茂呂製作所の遠隔サポート診断
万全の対応ができるよう準備は怠りません。
お客さまの所在地は練馬区、東京営業所(葛飾区)から車にて40分で到着(法定速度守ってますよ!)。
早速、修理依頼をいただいた機械を拝見します(使用歴長そう……)。
まずはテスターを使って導通確認。
「断線していないか?」「ヒューズは飛んでいないか?」などをチェックします。
お客さま「トランスが壊れているのだと思うよ……。」
担当者「もしそれ以外で直ぐに修理できれば!ですから全てチェックしますね。」
「全ての箇所に導通あるし、必要なところには全て抵抗もある……変だ」
スイッチも電線もトランスも何も壊れていない模様です。
もしかすると熱管周辺のホコリなどの汚れでショートしていただけかも?など原因特定が難しくなりました。
その後もひと通り遠隔サポートでの診断を行いましたが、あとはバラしてみないと原因が分からないことをお客さまにお伝えしたところ、
「この機械は古いけどこの高さを保てている機械は調べてみたけどもう販売していない。なのでこのような機械に似たものを購入する金額までなら出すので再点検と改良をお願いしたい。」
とのお話をいただいたので機械を引き取らせてもらうことになりました。
到着後、ここまでの対応時間45分!
修理の第一段階は、「修理できるかできないかを判断する」ということです。
現場では機械を何日も止めておけないというケースがほとんど。
修理できない場合には新しい機械を購入しなければなりません。
そのための判断材料をお客さまに示すことが重要です。
本社にて分解・修理対応
持ち帰られた機械は社内のエンジニアの手に委ねられました。
お客さまのご予算もあるので、まずは絶対に必要な部分から修理していきます。
① 封入レールが熱くならない問題はなんなのか?
持ち帰って調べると原因は簡単でした!
上下スライドするパイプからレールに伝わる電線が半分以上切れていました。
よって上下スライドをすると電線が切れてしまい、レールが温まりきらない。
これが、原因だったので【古い電線は全て取り払い断線しにくい今どきのケーブルにすべて変更で一件落着!】・・・のはずだったのですが、当社のエンジニアは納得しません!
② そのほかの気になる部分も徹底修理
- ヒーター部分の汚れ
- レールのスライドがスムーズではない
- 電源ランプが切れている
- ステーが取れかかっている
- ハンドルのネジが馬鹿になっている・・・
結果的に悪いところは全て直す!
技術スタッフの拘りとご予算内でのギリギリ(実はオーバー?)の対応!
その結果、お客さまの満足度はこの笑顔から見て取っていただけると思います。
修理を終えて
後日お客さまよりありがたいメールもいただきました。
【封入機の修理】
製造メーカーも無く…
今回、機械修理.comさんのご紹介で(株)茂呂製作所様との出会いにより、私共のピンチを乗り越える事が出来ました。コロナ禍での設備投資が出来ない状況の中、工場のスタッフからは、「感謝しかありません」との事でした。ウチの様な小規模な個人商店の方は沢山いらっしゃると思います。また、個人宅でも物を大切に使う方が増えている様にも思います。時代にあった戦略が出来る方が生き残れるのでは、と思っています。
ウチはこの1つの機械で、スタッフの仕事の効率が格段と上がっていくのです。
今回、対応いただいた事は感謝しかありません。ありがとうございました。
機械修理.com があったからこそ修理先が見つかったこと。
茂呂製作所が近くにあり、なおかつ遠隔サポートで迅速確実な対応ができたこと。
お客さまの理解があり適切な費用を出せたこと。
この三位一体で機械の延命を図り、エンドユーザーの幸せも続く……。
修理はやりがいのある仕事です!
お客さまは小規模企業で予算に限りがある中、発注元の要望に対応するため古い機械を大切に使い続けている。
その機械を延命、時に改良して使い続けられるようにする。
こういった仕事を誇りに思います。