外国車エンジン部品の加工
今回は自動車整備工場さまからのご依頼です。
アメリカGMC社の車両オーバーホールに際し、壊れているエンジン部品を交換するため、アメリカから新品を取り寄せましたが、なんと取り付けられている部品と仕様が違う!
そこで、穴の位置やサイズなどを既存部品と同じ状態にして取り付けられるようにして欲しい、というご依頼でした。
メーカーから取り寄せる部品なのだから、まさか相違などあるわけない、と考えているとあわてることになるかもしれません。
海外製機器の部品を取り寄せる際も、ちょっとした型式違いで、交換する部品は大幅に違うということは実はよくあることです。
そんな時は、取り付けられるように加工してしまいましょう!
作業工程
こちらが今回オーバーホールされていた車両です。
大きくてかっこいいですね。
アメリカから届いた部品。
取り付けようとしたところ、必要なところにネジ穴がない……。
オーバーホールが終わらない!ということで、あわててご連絡をいただきました。
こちらが元々取り付けられていた部品。
この部品からネジ穴などの位置やサイズを測定し、新しい部品に加工していきます。
新旧部品を並べたところです。
右側の旧部品にはパイプ状の部品が圧入されています。
正確に穴の位置を計測するために、この部品は取り外す必要があります。
しかも、あとでこの部品は使用するため、壊さずに取り外さなければなりません。
実は、今回の担当者はオートバイの知識を持っており、その知識は一般の方より少しマニアックなもので、部品単体の修理となります。
アルミの部品に嵌め込んである部品の外し方の手法も知っていましたので、今回はとても役に立ちました。
既存部品の穴の位置を計測して、穴の無い新規部品に穴をあけていきます。
まずは平行出し。
続いて位置出し。
位置が決まったら、中ぐり盤を使って新規部品に穴をあけます。
加工が済んだら元の場所に設置されます。
(加工した部品は塗装中のため、この写真にはありません)
整備工場さまからは、無事にオーバーホールが完了したとご報告いただいています。
今回苦労した点は、寸分たがわぬ位置とサイズで穴をあけなければいけないこと、そのために圧入されている部品を壊さずに取り外さなければいけなかったことです。
穴をあける際には簡易的な治具を製作しました。
茂呂製作所にはさまざまな加工機械がありますので、今回のようなご要望にもお応えできます。
電話よりも具体的にお話を進めやすい「オンライン相談」も行っています。
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