厚揚げフライヤー溶接修理
10月22日(金)
厚揚げを生産されている工場から、フライヤーの修理のご依頼をいただきました。
この工場とは、10年以上前に別の機器の修理をさせていただいたことがありましたが、日頃お付き合いがある間がらではありませんでした。
今回フライヤーの故障が発生し、インターネットで検索したところ「機械修理.com」に行きつき、その中に茂呂製作所を見つけてご連絡いただいたということです。
依頼内容
電話での依頼内容は下記の2点でした。
- フライヤーから油が漏れるから修理できるか見て欲しい
- モーターが回らないから油漏れと一緒にそれも解決して
この2つの症状が関連しているのか別問題なのかはこの段階でははっきりしません。
とりあえず現場に向かうことにしました。
このフライヤーは、(おそらく)10年以上の間使用してきたもので、普段のメンテナンスはまるでしていないという状態だったようです。
メーカーさんのサポートは無しという状態でした。
現状把握とモーターの不具合解消
このフライヤーの仕組みは、型に入った豆腐をコンベヤで回転させながら、高温の油にくぐらせて揚げていきます。
豆腐が揚がったところでコンベヤを上昇させ、油から上げます。
機械は下記のような状態でした。
- コンベヤは上昇させなくても使用はできます。
- 油交換時にはフライヤー内部を清掃するためにコンベアを上昇させます。
- 最近は清掃のためにコンベアを上昇させたことがなく、普段からモーターを動かしていないため、今回は2カ所ともダメになってしまったようです。
まず、モーターの問題から確認します。
コンベヤを油から上昇させるモーターが回らないという事でした。
実は、このコンベヤが上がらないと、フライヤーの油漏れの箇所が確認できない状態でした。
亀裂具合や場所の特定ができないので、まずモーターを直さないと話にならないといった感じでした。
確認したところ、モーターは回ろうとしているがベアリングが回らず動かないという状況。
原因はベアリングの固着でした。錆びだらけです。
おそらくこの錆を取り除けばモーターは回るとおもわれます。
ピローブロック(ベアリング)を一度外して錆除去をおこない、とりあえず回転するようになりました。
何とか回るようになったのでコンベヤを上昇させて修理箇所が見られるようになりました。
油漏れの原因となるフライヤーの亀裂箇所も特定できました(上写真)。
溶接の修理は、この工場と茂呂製作所のスケジュールを調整し、翌週火曜日となりました。
この日は一旦引き上げます。
溶接修理
10月26日(火)
溶接道具を持参して朝から修理開始しました。
亀裂箇所を研磨して錆を落とし、溶接していきます。
苦労した点
- 引火に気をつけた
溶接している面は錆も油も落としてきれいにできたのですが、裏面は手を入れることができず、下の写真の通り漏れた油がコンロの火であぶられて粘土の高い状態だったため、取り切れませんでした。
そのため裏面が漏れた油で燃えるので、2人で声掛けしながら少しずつ溶接していきます。
燃えそうになったらエアをかけて冷ましてから再開という感じで進めました。
念のため、水はすぐかけられるように準備しておきました。
- とにかく場所がせまい、壁とのすき間がない
下の写真のとおり、溶接箇所が頭1個分くらいしか入らない状態で、体勢が悪く体が痛くなりました。
苦労はしましたが、想定通りの時間で作業を終え、無事に解決しました。
今後のアドバイス
今回は、フライヤーの油漏れとモーターの不具合が同時に発覚しました。
普段から清掃していて動かしていたらモーター問題は回避できたと思います。
普段使っていないから異変に気付かず、いざ動かしたい時に動かなかったという事態になりました。
やはり普段から定期的にメンテナンスを行う必要性を感じました。
社内でのメンテナンスが難しい場合には、ぜひご相談ください。
工場内の機器の使用頻度や用途に応じて、定期点検の計画づくりからサポートさせていただきます。