イタリア製パスタマシンの修理依頼を承りました。
症状は、「ハンドルが回らない」とのことです。 この機器はインぺリアというイタリアのメーカー製で、パスタなどの生地をのばすためのものです。
機械修理.comからのお問い合わせでも何度か修理しているため、構造などは理解しています。
早速分解し、原因を確認していきます。
原因の特定と修理工程
まずは分解していきます。
パッと見で分かるくらい、錆がひどい状態です。
この錆が原因でハンドルが回らない状態でした。
全てのパーツを洗浄し、錆落としを行います。
すると、ここで破損している部品を発見しました。
これはギアホルダー兼軸受です。
この機器は2つのローラーが連動して回りながら生地をのばしていくのですが、この部品が破損していると、ハンドル側のローラーは回転しても、もう一つのローラーが回らないため、生地をのばすことはできません。
破損した原因は、経年劣化もしくは無理やりローラーを回そうとした結果だと思われます。
この部品を修理するか否かは、ユーザー様と相談することにします。
正直申し上げて、この部品の修理費用は新品を購入する費用と大差ないという状況なのは確かです。
その旨をユーザー様にもお伝えしましたが、どうしても修理して使いたいという深い思い入れがある様でしたので、対応させていただくことにしました。
- 破損した部品を元に、MCナイロンで新しく部品を製作します。
- 製作した部品を、麺をのばすローラーに圧入します。
- 動作確認をしながら組み直していきます。
- 無事作業が完了しました。
動作も問題なく、またしばらくはお使いいただける状態です。
メッキ剥がれなどが多少目立ちますが、今回は動作させることが最優先で、ご予算の関係で塗装処理は見送りとなりました。
- 梱包してお客様のもとへ発送します。
同様の機器をお使いの方へ
清掃は衛生上必要不可欠ですが、丸洗いは必ずしも良い結果をもたらしません。
スチール部品で構成されているので、乾燥させないとすぐに錆付いてしまいます。
基本、拭き掃除をこまめに行えば良いのではないかと思います。 ただのオーバーホールでしたら比較的簡単な作業なのですが、破損している部品等があると事情が変わります。
日向精工では設計・加工・組立のスペシャリストがおりますので、大概のものでしたらクリアすることが可能です。
お気軽にご相談ください。